今日も鼻の下をのばして

邂逅・・・・Boxster(2)

 スーツの方はTさんという方でした。その日の私は決して綺麗ではないいでたちをしていたので、高そうなスーツのT氏に気後れしながら声をかけたのでした。「少々お待ちください。」とT氏は奥へ消えて行きました。ポルシェドライバーズセレクションのカタログを見つつ、平静を装いながら出されたアイスコーヒーをちゅーっと飲みつつ待ってました。この時点では今日はケイマンとはどんなクルマか確かめるだけのつもりでいました。アイスコーヒーが飲み終わると、またそわそわしてきたので再び展示されているケイマンSの中をのぞき込んだり、ドアを開けたり閉めたり、においを嗅いだりしているとT氏が戻って参りました。
 
 打ち出された見積書を見ながらあーだこーだ説明するT氏。一応聞いているふりをしていましたが、最後の数字に釘付けになっていました。必要なオプションと諸経費を含んだ憧れのクルマは当初の想像を遥かに超えていたのです。「け、けっこういっちゃいますね〜」動揺を隠しきれませんでした。苦し紛れに「ち、ちなみに今頼むと納車はいつ頃なんでしょ?」と私。何やらリストを見るT氏。何でも黒は随分と先になるとの事。色は何となく濃いグレーがポルシェに似合うと思ってましたが、PCのホームページのカーコンフィギュレーターではバサルトブラックが一番のお気に入りでした。「随分先ですねぇ〜」とため息をついたものですから、よっぽど早く黒のケイマンに乗りたいのだと思われたに違いありません。しばしの間のあとT氏は「あれなんかどうですか?」とさっきしげしげ見ていた展示車のケイマンSの方を一瞥しました。さらに続けました「ゴールデンウィーク、あれで楽しんじゃってください。」
 
 ゴールデンウィークにケイマンで出かけるなんてなんて素敵なんでしょう。新緑の季節に颯爽とケイマンにのって走り去る自分を想像してにやにやしてしまいました。しかし!しかしである。その展示車はTipだったのです。時計みたいなの(スポーツクロノ)ダッシュボードに乗ってるし。オートマの上にオプションてんこもりで、さっきの見積もりよりも高いわけですよ。僕は言いました「MTがいいんですよねぇ」。「ゴールデンウイークにケイマン」でかなりテンションが上がってましたから、かなり困っているように見えたのでしょう。はたと気づいたように、「ボクスターどうですか?」T氏は黄色のオープンカーの方を見ました。

 「ぼくすたあ?」ボクスターは涙目のクルマだと思っていました。フルモデルチェンジの事や、986とか987と呼ばれているのも知りませんでした。どう見ても展示してある黄色のオープンカーは「ケイマンカブリオレ」に見えたのです。この時この魅力的なオープンカーがボクスターのモデルチェンジした姿である事を知りショックを受けたと同時にその価格に驚きました。普通クローズドボディーから派生したオープンモデルはクローズドボディーより割高です。ところがその関係が逆転している・・・はて?それはケイマンの成り立ちを知っていれば納得ですが、「ケイマンカブリオレ」を「ケイマン」より安く買え、なおかつ「ゴールデンウイーク」に間に合うかもしれないと言うじゃないですか。しかも一番のお気に入りの「バサルトブラック」が!
 
 またしても想像しました。新緑の季節に颯爽と「幌を開けて」走る自分の姿・・・!!!
 
 外にとめてあるぼくのトヨタハリアーをガラス越しに見ながら、さらに続けるT氏「オープンカーとSUVの組み合わせなんか最高じゃないですか!アメリカ人が理想とする組み合わせですよね!」
 
 落ちました。落ちましたとも!もう止められませんでした。このあとは・・・・もう想像つきますよね。テンションが上がりきってますから、オプションなんかもちゃっちゃっちゃ〜と決め契約しちゃいました。契約書にサインする手が笑ってしまい、うまく字が書けないので左手で右手を支えながら書きました。そして成約記念?のクレスト付きのコーヒーポット?とマグカップをもらい、なかば夢見心地でPCを後にしたのでした。

 「買っちゃったよぽるしぇ・・・」

 つづく
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by koo-sky | 2007-02-15 02:49 | boxster